最後のエントリ - 電波受信記録について

かつてこのブログは3人の人間によって運営されていました。このブログを始めた最初の人間は、当初こそ意欲的に記事を書いていましたが、すぐに放り出してこの場を友人に譲り渡してしまいました。その友人とは、この文章を書いている人間、私自身です。しかし…

三人の女性

今日は全く個人的な話をしようと思う。自分を偽り続けることで誰かを幸せに出来る状況を考えよう。この状況では自分の心理的な負担が大きい。故に、その「誰か」を幸せにすることに大きな価値を見出せないかもしれない。次に自分に正直であることで、誰かを…

潔癖症に対する誤解

世間の人々は潔癖症に対して「病原菌を過剰に恐れる心の病」といった捉え方をする。だから、潔癖症に悩む人々に対して「幾ら身体を洗浄しても完全に菌を排除することは不可能だ」といったような見当違いな助言をしがちだ。こういった助言は、潔癖症的な行動…

優しい社会と厳しい社会

優しい社会は社会的コストが高い。厳しい社会は社会的コストが低い。一方で、厳しい社会は低いコストの代償として断続的に小規模なコストを払い続ける必要がある。まれに大規模なコストを払う必要も出てくるだろう。しかし、全体にかかる社会的コストを合計…

Free Tibet

"Free Tibet" は、この "Free" をどういった品詞として解釈するかによって意味が変わる。なかなか味わいのある言い回しだ。チベット亡命政府(ダライラマを慕う穏健派)は、宗教や自治という点で「自由(Free)なチベット」を求めている*1。一方、チベット青…

信用してはいけない意見の一例 - 宗教編

世の中には信用してはいけない意見というものが存在します。日本においては、特に海外の宗教について論じた意見の中に荒唐無稽なものが多いようです。そして、そのような暴論の多くには共通する特徴があるのです。それは、不適的な枠組みで宗教を論じている…

American joke a la Hollywood lah!

『カリブの海賊: 世界の果てで』において周潤發が演じているシンガポールの海賊サオ・フェンは、劇中において中国語の官話を話している。これは非常に奇妙な光景だ。官話は英語で言うところの Mandarin*1であり、現在の中国語における標準語(普通話)の基礎…

人間として最低限読んでおくべき(らしい)書籍リスト

http://anond.hatelabo.jp/20080313204959何となく西洋の哲学書が多いような印象を受けます。このリストを作成した方は、恐らく東洋哲学に関心がないか、その教養に欠けているようです。一応、日本人による明治以降の思想書は含まれていますが、それでも西洋…

イデオロギー中毒の自己診断法

自分の思想(イデオロギー)と正反対の意見を見たり聞いたりした際、思わず相手の人格を否定するような言葉や態度を取ってしまいそうになっていたら、あなたはイデオロギー中毒者です。この際、血の気が引いたり、指が震えるといった自覚症状があるならば、…

おもしろ対比シリーズ: 中国人民軍によるチベット侵攻&大日本帝國による韓国併合

論者 主張 愛国者 大日本帝國軍は、朝鮮半島に対する進出によって朝鮮人を封建制(大韓帝国)から解放した。日本は朝鮮半島に対して度重なる投資を行い、近代化に寄与した(このように日本による韓国併合は良い面が沢山ある)。 中国共産党による政治喧伝 中…

チベット人民の二つの敵

チベット独立には二つの人権問題がある。一つは中国による抑圧であり、もう一つはチベット内部にある宗教的な抑圧だ。元来、チベットは政教一致を旨とする国家体制であり、その中には宗教的被差別階級が存在する(参考)。中国による人権抑圧を解決した途端…

No, we can't

http://www.dipdive.com/"Yes, we can" が今のアメリカを代表する言葉だとすれば、"No, we can't" が今の日本を代表する言葉だ。何をどう変えれば良いのか分からず、いたずらに過去に答えを求める人々。その姿はイスラム革命直前のイランに重なって見える。

中国産加工食品における残留農薬問題: 不安感の払拭こそが重要

五輪前に幕引きを…中国が隠す猛毒輸出の実態 (夕刊フジ) 前回のメタミドホス問題に関して「残留農薬の問題ではない」と書いたが、新たに発見された別種の農薬「ホレート」に関しては残留農薬の問題だ。ちなみに問題となった加工食品はアスパラを包んだロール…

靖国神社: 真の伝統だけが生き残る

内閣総理大臣による靖国神社への公式参拝を肯定する際、頻繁に使われる論法がある。アメリカの事例を挙げることだ。例えば、アメリカの大統領就任式において新大統領は聖書に手を置いて宣誓をする。また、アメリカの裁判や国会において証言者は聖書に手を置…

野島崎のイージス ver1.2(+何故か捕鯨問題)

×…イージス艦が誤って清徳丸に衝突した ○…清徳丸が不注意でイージス艦に激突したよし、今回も自己責任論で逃げ切れるぞ。東京湾にいた漁船が悪いはずだ、うん。 頑張れ愛国者(日本版スターリン主義者)! …って本気で思ってる人いるの?大体、何で自民党が…

地味で凄い深圳市

(まぁ、覚えても損はしないという程度の話です)中国本土にある最大の都市といえば上海…というのが常識だ。だが一人当たりのGDPで言えば、華南にある広東省深圳市が最も裕福な都市なのである(参考1, 参考2)。実際、深圳は香港*1の衛星都市であり、同時に…

日本の保守は左翼思想に依拠している(逆もまた真なり)

日本の保守陣営は、大日本帝國の批判の対象となっている諸行為を国際法に絡めて弁明することが多いですね(参考1, 参考2)。このように国際法を重視する立場を国際関係論における「理想主義」と言います。国際関係論における理想主義とは、上に示したように…

What the hell

Those who truly adore and respect the Emperor of Japan shouldn't call his Majesty Tenno.

中道政治と現実主義

政治において何らかの理想を求めるからこそ、種々雑多なイデオロギーが存在する。それ故、政治における現実主義は、しばしば特定のイデオロギーに依拠しない中道派*1と同義となる。しかし、中道派は右から見れば左寄りに、左から見ると右寄りに見える。つま…

マレーシアのインド系住民によるデモ

個人的にはマレーシアが東南アジアで最も安定した他民族国家だと思っていたので、今回のインド系住民のデモ*1は意外…というか驚きだった。どうやらマレー人優遇策がインド系住民の怒りを買ったらしい。だが「なぜ今更?」という印象も受ける。確かにマレーシ…

隠された真実を暴く: 南京事件はなかった!超絶証明編

まず南京事件のオレ流定義ね。 南京事件とは「太陽が地球の周りを回っている」という説のこととします。で、ご存知の通り、真実は「地球が太陽の周りを回っている」のです。 はい論破完了! サヨクとか朝日新聞とかが真実を隠すのはいけないと思う。

コソボ独立宣言

セルビアのコソボ自治州(と書けるのは今日までだ)の独立宣言が多くの国々に承認されたら、コソボが第二のパレスチナ問題と化すだろう。いや、既に半分くらいパレスチナ問題化しているのだが。まぁ、これは誰でも分かっていることだ。コソボはセルビア系住…

南米は左派政権だらけ

15年くらい前まで、南米は「IMFを通してアメリカ合衆国に併合されるかも」と冗談で言われていた。だが、ここ数年の流れであっという間に南米中で左派政権(IMF・世界銀行に反対=反市場原理主義を掲げる立場)が登場するに至り、(中道左派も含めると)コロ…

愚痴

最近、「失望」を「絶望」と言い換えるのが流行ってるか?

自称保守シリーズ

※mama氏の指摘を参考に題名と内容を変更しました。日本の保守思想の洗練を促すため、自称保守陣営が唱える「伝統」の矛盾点や誤解を以下に列挙してみました。参考になれば幸いです。ちなみに保守陣営を非難する意図は毛頭ございません。 武士道関連 大半の日…

戸塚ヨットスクール校長による「教育改革に関する意見」について(その3)

http://totsuka-yacht.com/kaikaku.htm 「2.教育崩壊と『脳幹論』」に対する批判 「脳の機能低下が教育問題を引き起こす」――これが戸塚ヨットスクールの主張する『脳幹論』です。 お馴染みの脳幹論の登場です。これまでの考察と上の一節で明らかなように、…

戸塚ヨットスクール校長による「教育改革に関する意見」について(その2)

http://totsuka-yacht.com/kaikaku.htm 「1.教育崩壊の原因」に対する批判 「(1)教育の定義、目的」について 人間の精神は、知・情・意の3つからなっています 一体どのような学術的な根拠によってこのように主張されているのか非常に興味深いです。確かに…

戸塚ヨットスクール校長による「教育改革に関する意見」について(その1)

http://totsuka-yacht.com/kaikaku.htm上に挙げたリンクに戸塚宏氏(戸塚ヨットスクール校長)による教育改革の意見書があります。戸塚氏の知性が垣間見えるような知的な刺激に富んだ名文なので、徹底的に批判してみたいと思います。 前文に対する批判 日本…

食料自給率を上げるべきか(暫定版)

中国餃子問題の影響か、にわかに食料自給率を上げるべきだという議論が再燃しているようです。端的に言って自給率が上げられるならば、それに越したことはありません。問題はその方法論です。国土の狭さ(農業に適した土地が少ない)もさることながら、小規…

ウヨクの緩さ

日本の「ウヨク」というのは、どうやら政治的には右寄りで経済的には左寄りの方々のことらしい。例えば天洋食品の「劣悪」な労働環境を非難するっていうのは、完全に左寄りの発言ですね。労働者の人格を認めている時点で経済的右派として落第です。一方で中…