行政サービスと税金ドロボー

税金というのは、払う額が大きければ、それだけ価値があるというものではありません。確かにそういった考え方もありましたが、日本でいえばサムライが闊歩していた時代までの話です。越後屋、おぬしも悪よのうぉ…。もし納税額が多ければ、それだけ良い行政サービスが受けられる権利があるとすれば、斉藤一人(漢方薬販売業者)さんあたりは風邪くらいでも要人用病室にご招待ということになってしまいますよね。馬鹿馬鹿しい話だと思いませんか。

税金というのは、一定の規則(法律)に従って一定の金額を納めることだけが重要なのです。その法律によって多く払わなければならない人もいれば、大して払わなくても良い人がいます。あまり払っていないからといって、そういった人々が税金ドロボーというワケではありません。もし、税金をあまり払っていない人が税金ドロボーだとすれば、斉藤一人(漢方薬販売業者)さんからすれば、殆ど全ての国民が税金ドロボーになってしまいます。あなたも税金ドロボーです。このドロボー猫が!

本当の税金ドロボーがいるとすれば、それは税金をあまり払っていない人たちではなく、たくさん税金を払わなければならないのに、海外の金融サービスや法の抜け穴などを用いてあまり税金を払わなくても良いようにしている方たちでしょう。あなたが好きな芸能人も税金ドロボーかもしれませんね。

無宿者や低所得者は税金ドロボーではありません。彼らは法律に則って払わなくてはならない税金を払っています。また、日本は消費税があります。お金がない人が買うものといえば普通の商品くらいですから、どのみち彼らが払ったお金の5%くらいは税金なのです。彼らは日本国民として平等な基準に従って税金を納めています。だから当然、彼らには行政サービスを受ける権利があるのです。

それでもフリーターやらニートやらホームレスやらが許せないあなたに

とはいえ、あまり税金を納めていない貧乏人どもが一般所得者と同じ水準の行政サービスを受けることに違和感を覚える方もいるでしょう。そういう方にオススメなのが、「法人税所得税相続税といった直接税を全廃する代わりに間接税、特に消費税を大幅に上げる」政策です。間接税では個々人の所得といった属性に関係なく、全ての国民から一律に同率の税を徴収できます。ですから、お金持ちであろうと貧乏人であろうと払う税金の割合は完全に平等になります。行政サービスに関する不公平感が払拭されますね。

但し、日本はスゴイ借金漬けな国であることを忘れてはいけません。ですから、現在主要な税収源となっている直接税を全廃し、間接税だけでやっていくとなると結構厳しいのです。最低でも消費税は一律50%くらいは欲しいところです。また、タバコやお酒といった中毒性のある嗜好品に関しても一律200%くらいの課税をしたいものです。

確かに上に挙げたような間接税は異常に高いように聞こえるかもしれません。しかし、貧乏人どもが得をするような社会は許せないというあなたなら、消費税50%くらいならなんてことないですよね。真に平等な社会を目指すために、消費税50%の日本を目指しましょう。

更なる平等に資するため、医療費や子ども養育費(義務教育期間も含める)、消防署や市役所で受ける行政サービスなども完全に実費負担にしてしまいましょう。貧乏人に憤りを隠せないあなたなら、苦もなく払える余裕がありますよね。平等万歳です。離婚届けを一枚につき100万円にくらいにすれば、増え続ける離婚率も減少するかもしれません。税収も上がります。

というか、行政サービスなんて一切なくしましょうか。そうすれば税金も殆ど必要ありません。公営病院や公立学校(国立大学法人も含む)、消防署、官公庁などなど全部私企業に変えてしまいましょう。もちろん、警察や軍隊も廃止します。自分の身は自分で守る。自己責任ですよね。皇室制度も税金の無駄なので私営化します。「天皇教」とでも名乗って宗教法人にしてしまいましょう。

努力が報われる社会ってスゴイ素敵ですね。税金もない、束縛もない、安全もない、天皇もいない国を目指して Let's go! です。