マレーシアのインド系住民によるデモ
個人的にはマレーシアが東南アジアで最も安定した他民族国家だと思っていたので、今回のインド系住民のデモ*1は意外…というか驚きだった。どうやらマレー人優遇策がインド系住民の怒りを買ったらしい。だが「なぜ今更?」という印象も受ける。
確かにマレーシアでは原住民であるマレー人が優遇されている。実は、この制度の評判についてマレーシアの友人(中華系住民)に聞いてみたことがある。彼が主張するところによると、「マレー人優遇策(ブミプトラ)の国内におけるの評判は悪いが、マレー系は一部の富裕層を除いて大多数が貧困層である一方、中華系とインド系は殆どが中産階級であるため、それほど問題にならない」らしい。とはいえ、彼は中華系が優勢であるクーチン市に住む中華系住民だ。インド系の現状にはあまり詳しくなかったのかもしれない。
何にしろ日本に届くマレーシアの情報が少な過ぎるせいで、何がインド系住民の怒りに具体的に火をつけたのかが良く分からない。そこでロイター英語版を覗いてみると、「インド系の不満は仕事と教育機会がない」ことらしい。人口の僅か7パーセントに過ぎないインド系住民の声は、インド系政党を含む連立政権には依然として届いていないようだ。
ま、しばらくマレーシア情勢はナリチューということで。
*1:去年11月にもデモがあったのは気付かなかった。