地味で凄い深圳市
(まぁ、覚えても損はしないという程度の話です)
中国本土にある最大の都市といえば上海…というのが常識だ。だが一人当たりのGDPで言えば、華南にある広東省深圳市が最も裕福な都市なのである(参考1, 参考2)。実際、深圳は香港*1の衛星都市であり、同時にハイテク産業が盛んな珠江デルタ地帯の中枢部となっている。しかも輸出額では既に香港を追い越した*2。更に上海のように外国人も投資できる証券取引所まである。まさに華南地方における工業と金融の一大中心地だ。一人当たりのGDPが中国最高水準なのも納得がいくところである。
では、なぜ深圳市は国際的に地味なのだろうか*3。それは恐らく深圳が経済特区に指定されているからだと思われる。ここで「上海も経済特区じゃないか」と訝しがる向きもあるだろう。しかし上海が指定されているのは「経済技術開発区」だ。経済特区ではない。
経済特区では他地域との交流が制限されており、ある意味で対内鎖国状態になっている。よって経済技術開発特区(上海や隣接する広州市など)のようなに大規模な人的交流は見られない。また観光地としては新興であり、カジノで知られる澳門のようなに外国人から注目される娯楽産業は少ない*4。こういった点で派手さに欠けるため、深圳は若干地味な印象となっているのだろう。