右翼理解のための回答

芹沢氏に突然横槍を入れてしまった罪滅ぼしも兼ねて、kilemall は右翼なので、右翼理解のための質問状 - 妄想科學倶樂部 に答えてみる。

Q .天皇天皇制について

A. kilemall は天皇断罪だという話題に参加していないので回答不能です。この設問の仕方は極めて狭い範囲の人にしか回答できないという点でマズい質問だなーと思います。
天皇に対する kilemall 個人の考えでは、かつての欧州の諸王国におけるローマ・カトリック法皇の立場のように、その当時の政治体制について上から「お墨付き」の許可を与える最も尊い(聖なる)立場であるべきで、自身が世俗的な権力を有していた明治政府の制度に伝統の立場からやや違和感を感じているところです。語弊を覚悟で言えば、(宗教的)象徴天皇制こそが日本の伝統かと。
但し、憲法天皇を規定する(立憲君主制)ということ関して言えば、立憲君主制とは世俗の権力者を縛るという出自から生まれたものですから、宗教的象徴である天皇を法で縛ることも不適当とも考えています。
もっとも、これは右翼本流の考えでは全くありませんが。

Q. 太平洋戦争について

A. 単純に良いか悪いとも言えないはずです。戦争に繋がるプロセスと戦中における戦略上の度重なる判断ミスと、他国に占領されてしまったという事後結果は、国家運営という点から見れば最悪中の最悪。しかし、侵略かどうかは戦勝国の考え方だから、日本自身は別の考え方を持つことができるという考え。
話をすり替えるワケではありませんが、例え侵略だと認めたとしても、日本の占領統治は、欧米諸国のような植民地政策とは大きく異なる点があったという面にもっと注目しても良いはず。
また、kilemall は、「外交手段としての戦争は出来る限り避けるべき」というリアリズムな考えを否定しません。

Q. 軍事力増強及び権利拡張について

A. 戦略的な憲法9条改定には賛成です。つまり、今のままだと「脳内補完」状態なので、その気になれば何でも出来てしまう。このままだと、アメリカの言うままに何でもやらされてしまう可能性があり、大袈裟に言えば国家主権を蹂躙される恐れがあります。というワケで、憲法で「日本軍(武力の保持)」を明記した上で、何が可能で何が可能でないかを規定すべきという考え。国連の武力活動に賛同しても良いけど、国連の承認のない一切の武力活動には参加できないとか。

Q. 核戦力の保有について

A. 日本が核戦力なんて持っても何の政治的・戦力的メリットもありません。そんなものに金をつぎ込むくらいなら、戦場に送った兵士の生存率を高めるような方向性に税金を使うべき。
核兵器保持を主張するのは、右翼思想ともまた違うと思いますよ。軍事力の保持は主張しますが。

Q. 愛国心について

A. まず愛国心という中身について考える必要があり。国家を思うからこそ国家に反旗を翻すこともあり得るという、積極的に国を思う信条を kilemall を愛国心と考えています。単に政府の言いなりになることを愛国心というのは、独裁国家における奴隷国民の倫理であって最低な信条だと思います。もし、国家が前者を教えるというならば kilemall は賛成しても良いかと思いますが、後者であるならば反対します。しかし、どうやら日本国は独立運動によって人々が勝ち取った国というワケでもないせいか、後者を愛国心と思っているみたいですが。
また、「国民が自発的に愛するようなシステムを目指せ」という主張は全く正論です。kilemall としても我が意を得たりといった感じ。地方と大都市の異常な政治的権力・経済格差や固定化しつつある個人間の意識・経済格差は悪しき存在です。イギリスの友人によると、身分が固定化したイギリス国民は、自分の生活さえ順調ならば満足で、「国家などクソ食らえ」と考える人が中流以下には多いのだそうです。一方で、アメリカは格差は大きくても流動性があるので愛国心旺盛ですね。
kilemall 的には、日本がイギリスのようになるのが最悪のシナリオですね。

Q. スタンスについて

A. kilemall は日本列島における伝統に強い関心があり、それを維持しようと考えているので右翼です。そして、右翼であることに誇りを持っています。
但し、kilemall は懐疑的な右翼です。所謂、薩長クーデター政権以降の「新伝統」と本当の意味での「伝統」とを区別して捉えようと努力しています。また、右翼ですが親米路線を取りません。どんな国であれ、他国から継続的に非常に強い影響(実質支配といっても良い)を及ぼされている状態を是認は出来ません。アメリカとは近付き過ぎず離れ過ぎず(カナダあたりが参考になるかも)がベストでしょうね。

Q. 些細なことについて

A. 以前(といっても数ヶ月前ですが)から妄想科學日報を楽しく読ませて頂いたので。DocSeri 氏の考えを全面的に支持しているワケではありませんが、「おっ」と思わせる意見を公表される方だなーと思っています。