ウヨクの緩さ

日本の「ウヨク」というのは、どうやら政治的には右寄りで経済的には左寄りの方々のことらしい。

例えば天洋食品の「劣悪」な労働環境を非難するっていうのは、完全に左寄りの発言ですね。労働者の人格を認めている時点で経済的右派として落第です。一方で中国を叩きたいというナショナリズム(笑)は右寄りといっても良いでしょう。とはいえ、普段はマスコミを非難するワリには、自分にとって「気持ちの良い」報道に関しては内容を検証することなく信用してしまいます。

…とウヨクを嗤いながらも、ここにはかなり根本的な問題が含まれているような気がします。今までなら保守派は一貫して保守的であることができた。けれど、グローバル市場原理主義経済右派)が跋扈する現代では、経済保守(市場を信用する)であることと政治保守であることが矛盾するようになってきている。

経団連トヨタの会長とか)は中華市場をもっと大胆に開拓したくて「媚中」的な態度を取っている。こういう態度がウヨクから時々非難されるけど、経団連って明らかに経済右派の巣窟なんだよね。結局、現代のグローバル経済は国家を超越する性質から政治右派とは折り合いが悪いわけだ。だってフラット化した世界では、ウヨクが心の底から愛する「国家の主権」なんて市場が軽々と飛び越えちゃうもの←EU憲法批准を否決した国って政治的には保守な国が多かったよねフランスとかフランスとかフランスとか…イギリスは投票自体を凍結したけど。

ということは、日本でバリバリの政治右派になるためには、経済的には限りなくサヨクに接近しないといけない。ここ最近、右寄りの識者(笑)の先生方って何かバラバラだなと思ったけど、このウヨクの緩さって経済関係の解釈の違いが背景にあるのかな。