セルビア: 多民族国家になれるか

セルビアの大統領選挙で新欧米派のタディッチ大統領が当選した。仮に民族主義者のニコリッチ氏が当選していればコソボ自治政府との衝突は不可避であったが、この最悪のシナリオはまさに民主的な手法で回避された。この選挙結果によってセルビアの民主国家と…

なぜ「青少年が凶悪化」したと危惧を抱くのか: 大人たちの混乱と若者の勘違い

「青少年が凶悪化している」という認識が社会的な誤解であったことが人口に膾炙するようになって久しい。近年では、左記のような認識を抱えたままの教養人は少なくなった。とはいえ、未だにメディアを含めた多くの大人たちがその危惧から抜け出せていない。…

天洋食品餃子による有機リン系中毒問題:まとめ(2月4日現在)

今回の天洋食品餃子による有機リン系中毒問題(通称:毒餃子事件)は情報が錯綜しており、中国に対する強い不快感だけが先行しているような印象を受けます。そこで錯綜する報道を整理し、問題を分かりやすくまとめてみました。この問題に対する冷静な考察の参…

毒餃子事件:呆れた中国の実態!

すぐに旬が過ぎるような時事ネタを憂国右翼kilemall(『葉隠』が愛読書)が考察してみた。ネタ元は産経新聞の記事。産経が書く記事だから朝日と違って捏造はありえないよね。内容は信用できるよね、うん。オーケー(春樹風)、とにかく読んでみよう。 知られ…

イジメの二律背反

イジメを肯定する人たちがいる。そういった人たちに共通しているのは「過去にイジメられる側であった」ということだ。イジメられた経験を乗り越え、自己変革を成し遂げた人たちである。イジメを否定する人たちがいる。そういった人たちに共通しているのは、…

輸入禁止にしろ

そうか、その手があったか。発展途上国で農薬として使われてそうな薬剤をこっそり輸入して国内の食品に適当に注入する。あとは騒ぎを大きくして輸入国からの食品の出荷を抑えさせれば良い。こうすれば自動的に国内で生産される食品の需要が増える。価格も高…

Amazon.com: アフマディネジャドもハマるアレゲな商品

今更なネタだけど、えーアマゾンでウランが売ってるよ(UraniumOne)。時代は一家に一原爆か。よーしパパ核シェルター買っちゃうぞぉ。…と言いつつ、上の商品を1000個くらい買わないと原爆は作れません(という話を聞いた)。一個約3000円としても300万円く…

何故、無政府主義は必ず失敗するのか

答え:国家的なモノの出現を止められないから まず、ここに無政府主義が実現した社会(便宜的に「クニ」と呼ぶ)があるとする。その中では暴力や略奪を防ぐために、主に資本家が中心となって私兵(警備会社)を雇うことになる。私兵を雇うことが出来ない弱者…

訊けない質問

昔からずっと聞いてみたかったこと。新古典派の信奉者たちは、重度障害者や老人といった働かないのではなく「働けない人々」に対してどのような意見をお持ちなのか。原理的に市場で価値を生み出せない人々の末路は如何に?何か恐ろしい反応が返ってきそうで…

欧州連合への特別ご招待券: お代はコソボ独立承認で結構です

EUは、セルビアに対してEU圏への渡航ビザの免除と引き換えに、コソボ(自治州)の独立を承認させようとしています(情報源)。やっぱり政治は妥協の産物ですよね〜。日本人は和を尊ぶわりには妥協が大嫌いな国民性らしく、拉致問題も強硬姿勢で軽々と膠着状…

女子高生と援助交際したい方に朗報

新自由主義において、万人は自己の保有する資本を自由に交換する権利が認められます。ところで、若い女性は、その身体が他の商品と交換可能な消費物とみなされています。但し、その自由交換の権利は自己責任の義務と表裏一体です。ということは、すべてにお…

「英語ができる」の謎

「英語ができる」という言葉は多義的です。但し、英語が分からない人には感覚的に理解できないかもしれません。例えば、日本人の誰もが「日本語ができる」と言っても、全ての日本国民が全ての日本語で書かれた文章を読めるわけではありません。だから、相手…

新しい老人介護ビジネス〜ノーリスクで簡単にお金が手に入る〜

ノーリスクで簡単にお金が手に入る仕事のお知らせです。それは「若者を非難する文章」を書くことです。今は若者を非難する文章を書きさえすれば、確実に売れます。引退を迎えた団塊世代*1へ「癒し」を提供するという点に商品価値があります。老人介護ビジネ…

経済学者の仕事

経済学者の仕事は基本的に一つしかありません。「経済学は正しい!」 「経済学で世の中が分かる!」 「経済学が分かってない!」この三つのお題目を声高く叫ぶことだけです。特に3つ目は最重要項目です。 経済学は正しい → 〜(人名)は経済学を分かってい…

北欧型社会の問題点 〜日本が北欧型になれない3つの理由〜

公的部門に関する問題 北欧型社会は強く「大きな政府」を志向します。故に、政治は透明性が高く常にクリーンであらねばなりません。しかし、日本の現状はどうでしょう。言うまでもなく汚職の総合商社です(海外では中国と同じレベルだと思われています)。ま…

希望は内戦(もしくはテロリズム)

弱者の皆さん、内戦なんてどうでしょう? 現代における(特に先進国同士の)戦争では、世界大戦のような国家総動員体制=全力戦は有り得ません。故に、戦争によって社会情勢が一転するということは考えにくいでしょう。アメリカ合衆国の例を鑑みれば、せいぜ…

世迷言シリーズ第777回 フンバルト・ヘーデル編

・偽善や世迷言を吐く他人に吐き気に似た嫌悪感を覚えるのは、この世の中にまだ自分が無条件に肯定できる他人が存在していると信じているから。人を信じるためには、まず人は信じられない存在だという現実感が不可欠。・人生を呪うようなグチを繰り返してい…

デクスターの法則

その曲の印象は、開始3秒以内で決まる → イントロが大事

オタクに対する小さな考察

「社交手段としてのオタク文化」という見方 筆者は、所謂オタク文化圏には属していないのだが、不意に今まで「オタク」と呼ばれうる人々に対して間違った認識をしていたのではないかという疑念に駆られるようになってきた。即ち、オタク(あるいはアキバ系)…

格差の何が悪い?

この前、某所のカフェで盗み聞きした会話。正確じゃないけど、多分こんな感じだったはず。 A:格差の何が悪い?格差がなければ努力しなくなるじゃん。B:つまり、努力の結果として格差がつくのに賛成ということだね。A:そう、共産主義反対!B:でも格差…

市場原理主義と宗教の蜜月: 市場が政教分離を融解する

公明党に経済弱者がカモにされる現実 公明党による2008年の抱負的なモノ2010年までに「給与所得を過去最高水準にする」と太田昭宏(公明党代表)が発言したらしい。ここ最近の公明党の公式発言を辿っていくと、明らかに経済弱者救済的、反財界的、要するに経…

異常な親と精神疾患

「仲の良い家族」は近代社会のイデオロギー しばしば精神疾患の原因として「親が異常(人格)」という理由が挙げられる。しかし、大なり小なり人格に異常性を持っていない親の方が珍しい。完璧な親などいない。結局、精神疾患を持つ本人自身がそういった異常…

シュガー社員とハニー上司

シュガー社員って何? シュガー社員の説明は、上のリンクに任せた。 若者は時代に自己主張を誘惑される シュガー社員という概念自体は、要するに「俗流若者論」の一種に過ぎない。しかし、興味深いのは、この概念がそういったシュガー社員の扱いに困った上司…

アジアは広いんですが

アジアは韓国と中国だけじゃない!と息巻くあなたが他のアジア諸国のことを良く分かっていらっしゃるのかという問題。やっぱり興味があるのは、中韓だけなんでしょけど。せめて東南アジアくらいはカバーしておいた方がいいですよ。 …ってオーストラリア留学…

日本軍のアジア進攻は正しかった!? - インドネシア人は日本軍の進攻を賞賛している!

この記事には、最後にオチがあります。 最後まで読みましょう。というか、最後まで読まないうちに内容に反論されたりされても困る。 アジアの真実〜日本軍は東南アジア諸国に感謝されている〜 そう、大東亜戦争における皇軍の東南アジアにおける進攻は、責め…

若者の自殺率: High or Low?

一般的に信じられていること 日本における若者の自殺率は世界最高水準で、近年は増加率も高い。死因に関しても自殺が常に第一位。 ありがちな反論 すべてマスコミによる捏造、あるいは国民の錯覚である。*1,*2,*3,*4日本国民全体で考えれば、自殺率が世界最…

ムーミン式教育術

フィンランド式教育の目的は、国民すべてを意思決定者に育て上げることである。国家にとって都合の良い歯車に仕立てるためのモノではない。ところで、一般的に国家の意思決定者は権力者である。つまり、権力者にとって被支配民が大きな口を叩くのは都合が悪…

勉強する理由

子どもたちは、どうして勉強しなければならないのか?少なくとも確実なのは「子どものためではない」ということだ。勉強を通じて得た教養は、確かに子ども達の人生を充実したものにするかもしれない。しかし、それは教育における本来の目的から生じた副次的…

侮辱の仕方

相手に対する簡単で効果的な侮辱の方法をお教えしよう。それは、相手が真剣に語っていることに対し、あくまでふざけた対応を取ることだ。人間の脳は一方向の不快感に対してはある程度の抵抗力を持っているが、一方に強い刺激を与えている間に別の刺激を別方…

アメリカ人という人々

アメリカ人を怒らせたいのならば、「またテロリスト攻撃がアメリカにあれば良いね*1」と言えば良い。彼らは激昂し、ありとあらゆる汚らしい言葉をあなたに投げかけてくるだろう。そして、自分がそういった無礼を働いているにもかかわらず、全ての責任をあな…