無駄の効用

役に立たないことをするのは、それをしている間だけ嫌な現実に目を背けることができるから。現実に目を背け続けると盲目になってしまうが、現実を見過ぎると目が潰れてしまう。適度に目を休めるために、むしろ積極的に生活に無駄を取り入れることも良いだろ…

無題シリーズ

無題その32 精神的に満たされることが難しい世の中だからこそ、物理的に満たされていることが重要になる。 無題その33 議論とは何が間違っているのか、何が正しいのかを他人との会話の中で探っていく試みである。つまり、間違いを間違いと認められない人物に…

アメリカの保守派は親日派?

アメリカ合衆国における保守系シンクタンクの最右翼であるヘリテージ財団が毎年発表している「経済自由度指数」という指標がある。当指標は、その名前の通り、「国の経済がどの程度政府の干渉を受けていないか」を示したものだ。但し、今回の記事はそれほど…

思想の悪魔

知的な関心を抱く人々は、思想的立場の違いで諍いを起こす。その違いが本質的な差異だと錯覚しながら。しかし、知的な水準の低い人たちの程度を改めて認識し直すと、途端に知的な争いなど些末な内輪揉めに過ぎないのだと気付く。例えば、右や左の思想的立場…

惨念夢念

作成途中の長文が不手際で消えた…と書きたくなるくらいの喪失感。

行政サービスと税金ドロボー

税金というのは、払う額が大きければ、それだけ価値があるというものではありません。確かにそういった考え方もありましたが、日本でいえばサムライが闊歩していた時代までの話です。越後屋、おぬしも悪よのうぉ…。もし納税額が多ければ、それだけ良い行政サ…

ハン

箸を持つ方の手の人は、殊更、その異質性を強調するものだ。でも、やっぱり見た目通り大した差がなかったということだね。むしろ国家の威信をかけたという点でまだあちらの方が先進国らしかったかな。

自己責任論が怖い

自己責任論は、まさに両刃の剣だ。その刃が特定の対象にだけ向けられているうちは良い。しかし、その対象が際限なく拡張され、自分の一歩手前までやってきたとき、私たちはそれが両刃であったことに気付くのだろう。そして気付いたときにはもう遅い。マルテ…

言葉遣い・格差問題・分割統治

格差問題の要点は言葉遣いにある。例えば、「仕事が大変」という表現を考えてみよう。一般的なオフィス労働者(サラリーマン)の「仕事が大変」という言葉は、「毎晩遅くまで働かされている。定時過ぎは当たり前。安月給。上司の小言も聞き飽きた。やりたく…

存在せずに存在する世界

仏陀は何故、我々は実際に存在しているのにも関わらず、存在してないなどといったのだろうか。何故なら、存在しているという感覚自体が肉体の制約を受けた認知に過ぎないことを見抜いたからだ。確かに包丁で指を切り落とせば血が流れ、激痛が走るだろう。こ…

信仰の聴力

この世界に「自分がそう信じている」という形式以外の真実があると信じる人間は、他者が奉じる信仰が大声に聞こえる。「自分がそう信じている」こと以外に真実はないと信じる人間は、耳が聞こえなくなる。

否定文の認識における選好

人は否定文に真実味を感じる生き物である。「できる」よりも「できない」に、「ある」より「ない」に、「正しい」よりも「正しくない」により確からしさを感じる。そして、否定文によって成り立つ事象は忘れにくいが、単純な肯定文によって成り立つ事象は忘…

イジメられる者

人間関係の全ては交換が原則として存在する。故にイジメにおいては、明らかにイジメられる者が最も悪い。イジメられ続けるということは、イジメられる原因を解消する義務を怠ったということである。税金を納めなければ罰せられる。このように、集団生活にお…

脳はひねくれ者

脳が私たちを動かすとき、それは常に私たちの願望とは正反対の方向へと導こうとする。 脳とは自己保身の器官である 人の言葉はどんなモノであれ、勝利宣言と負け惜しみが同居している。ある者が述べる世界の真理は、別の者にとって詭弁に聞こえる。この世界…

標識を磨く男

音も光も臭いもない空間の中では、自分が本当に存在しているのか確信は持てない。音や光、臭い、引いては周囲の人間関係といったもの同士の結び付きによって自分を知ることができる。しかし、そういった諸々の関係自体が自分自身であるわけではない。私たち…

無力さの自覚

怨恨、嫉妬、憎悪…人間は良からぬ感情を抱くものである。そして、世の中について正しい見方をすることができない。その無力さを自覚することだけが人間のできる精一杯のことだ。死によって救われることがないのなら、私たちの生は絶望に彩られることになるだ…

自己言及文

珍しく自己言及文。この日記を付け始めた最初の執筆者(この日記で一番人気の記事を書いた人)は既に筆を折っている。但し時折復活することもあるのだが。

無様な負け方

最も無様な負け方というのは、負けたことを認識していないというような素振りを見せることである。無様な負け方をすると、次の行動の全てが軽んじられてしまう。何より、相手があなたに反論の余地が残せるよう(あるいは窮地に追い込まぬよう)に皮肉で留め…

学校教育の巧妙さ

数学や物理といった教科を順当にこなすためにこそ文系的な学力が不可欠で、逆に国語や英語、歴史などの教科を順当にこなすためこそ理系的な学力が不可欠である。結局、どんな教科であれ総合的な学力が鍛えられる。確かに、一見すると文系と理系は厳密に区分…

触れてはならない人々

人を傷付けることしか出来ない者に対して一般的な人間関係を強制してはならない。彼らは人を傷付け続けることが愛であり信頼であると錯覚している。彼らに人間関係を迫ることは、狂犬を野に放つことに似ているのだ。同様に相手を傷付けてしまうと自覚してい…

強制された信仰という虚構

少なくとも信仰に対して個人が責任を負う必要がないと考えているのは、世界でも日本列島に済む日本人とオーストロネシア諸島の住民くらいだ。現代において宗教とは選択である。そして選択とは自由の下で許される権利である。権利は責任を対価とする。それが…

翻訳の理論

翻訳には理論がある。あるいは手法とか理念と言い換えても良い。所謂、職業翻訳家(翻訳者ともいう)は専門的に翻訳の理論を学んでいることが多い。だから、同業者の間で翻訳に関する理論的背景が共有されている。その文章がそのように訳されている理由を説…

二者を分けるアクリルの壁 - 「第四回 絵心」を読んで

Google の導きにより、とある高校生の日記に偶然に辿りつきました。そこで書かれていた彼(あるいは彼女)の思索に心奪われ、思わず長々と感想を述べたくなってしまいました。が、コメント欄に長文を掲載するのは気がとがめます。そこで珍しくトラックバック…

生活が安定していれば格差社会は認識し得ない

格差社会で格差がついているものは「収入」ではなくて「生活の安定」だ。アメリカ合衆国では意図的に(あるいは無意識のうちに)人々の「生活の安定」が揺らぐように社会が構成されている。「収入」にどれほどの差があろうとも、「安定」がないという点では…

ピーターの法則が見落としているもの

人は能力の限界まで出世し、その組織内で無能の水準にまで達する。所謂、「ピーターの法則」と呼ばれるものだ。元はピーター教授の持ちネタ(知的ジョーク)以上の理論ではなかったのだという。しかし、その翻訳版がダイヤモンド社という経済関係では比較的…

チェチェン人こそが悪である

(強烈な電波を発している文章ですのでお気をつけ下さい)ロシアに多いスラブ系の白人はしばしば日本人好みの容貌をしていると言われる。だが、どうもロシアという国自体は日本に嫌われているようだ。何をやっても悪事だと叩かれる。そして今、最もロシアの…

日本女性という立場

日本の女性は抑圧されている。日本女性には自由がない。枠にハマった生き方以外は肯定されない。一方で、女性たちは甘やかされている。日本という国自体が女性たちを気持ち良くするために右往左往している。日本では女性である限り、他国とは比較にならない…

ゆとり×任天堂

ゆとり教育を批判しても任天堂は否定しない。あるいは国へ対する批判は許されるが、私企業を批判することは許されないと思い込んでいるのだろうか。いや、問題はそういうことではない。本気で学力低下を憂うならば、氾濫する子ども向け娯楽を規制するところ…

学歴社会をめぐる言説

学歴社会を肯定する側も否定する側との会話がしばしば噛み合わないのは、お互いの立場が批判あるいは擁護している対象が異なっているためである。どんな社会制度であれ、ある側面を見れば良い点があるし、別の側面を見れば悪い点が存在する。独裁制やナチズ…

フェアトレード幻想

スターバックスといえばフェアトレード。気軽に楽しむにはちょっと高めだけど、世の中に立ってると思えば安いもんだよね。…という感じで企業イメージ向上+収益率を上げている星鹿珈琲店(Starbucks)ですが、実際フェアトレードって貧困救済に役立ってるん…